そしてその日は遅くまで
語り尽くした。
久しぶりに何も気にせず、
我慢もせずに話すことができて、
本当に楽しかった。
だけどそのぶん、
家に帰ってからは
マイナスなことばかりが
浮かんだ。
香澄はああ言ってくれたけど...
やっぱり、ヨシのことに
なにもケジメがつけれていない
あたしが、ただ甘えるために
こんな中途半端な付き合いを
続けるなんてまちがっているし、
神田咲哉にも悪い。
あたしにはもう一度
人を好きになる権利なんて
まだない。
でも、"まだ"ないだけだから。
もう、逃げないって
決めたから。
あたしはひとつ
大きな決心をして、
眠りについた。

