恋の魔法。









「あたしはミカの友達。
由梨が裏切ってる気がして
話聞き出しといたの。
そしたらこいつ
あたしのこと本当の友達だと
思いこんじゃったみたい」











周りのみんなが
一斉に笑い出す。









あたしは力なくその場に
ペタリと座り込んだ。










ひとしきり笑ったあと
ふと静かになり
ミカがため息をつく。













「ねえ…
あんたほんと
目障りなんだけど。
なんで生きてんの?
自分に生きる価値が
あるなんて思ってんの?」

「そうだとしたら
超自意識過剰~」

「あんたが死んでも
誰も悲しまないのに~」

「死んだことすら
気づかれないんじゃない?」

「言えてる~!」












サオリ…





あたしは信じてたよ。





サオリがあたしの
話聞いてくれた時
すごい嬉しかったんだよ。





何度も
あたしに相談してね、
って言ってたあの笑顔は
いつから嘘だったのかな。





これは内緒で
付き合ってしまった
あたしへの罰かな。












あたしはグッと唇を噛んだ。





それでも涙は溢れ続けた。