あたしはそっと
サオリを見た。
ミカもあたしの
視線に気づいたのか
バカにしたように
フッと笑いサオリを見た。
「ねえサオリー?
由梨ほんと最低だと
思わなーい?」
「…うん。
ミカを裏切らなんて
信じられない」
「え…」
サオリはツカツカと
あたしの前まで来て
あたしの襟元を掴み
グッと引き寄せて
小さな声で言った。
「確かに最初は
由梨の味方して
あげようかと思ってたのよ?
でも、あんたに
付き合ってるって
報告受けた時…
なんかムカついたの。
あたしにはヨシがいるから
あんたなんかいらない
って言われてる気がした。
それにあんたの味方して
今度はあたしが
狙われるのはごめんだし。
裏切られる前に
裏切ってやろうと思って。
でもあんた、さっき
あたしの名前
出さなかったのね。
…バカな女」
吐き捨てるように
そう言ってサオリは
ミカに笑顔を向けた。

