真っ赤な顔をして
ヨシはもう一度
あたしを抱き締めた。
「オレ、むしろ
由梨の前でだけは
爽やかでいるの
無理かもしんない」
「どうして?」
「こんな好きな子が
目の前にいて、
下心出すなって方が
無理な話だろ」
ヨシはそう言って
おでこにキスしてくれた。
「でも今は歯止め
聞かなくなるから
これで我慢する//
さ、もう遅いから
そろそろ帰った方がいいよ。
送るから」
「うん。ありがとう」
「…由梨」
あたしがドアに
歩き出したところで
呼び止められ、
後ろからギュッ…と
強く包み込まれる。
「何があっても…
オレが、お前を
守るから……
絶対に。」
「ありがとう…」
しかし二人には
大きな試練が
待ち受けていることを、
あたしはまだ知らない…。

