「用事があるのは、私になんですよね。

 とりあえず、場所を変えましょう、ついてきてもらえますか」



 ・・・私はそういって、彼女を促した。

 小さく、息をはいて、彼女が小さくうなずいた。




「そのほうが、いいみたいね」



 教室の中、学食に行っている人も多いとはいえ、それでも人はわりといて・・・彼女はとても目立っていた。

 私達とのやりとりもそうだけれど、彼女自身がめだっていた。

 真新しい制服は、まだ、着なれていない感じで一目で、高校からの入学組だとわかった。

 私たちの学校は、基本、制服の形は小、中、高、一緒で、ワンピース。学年などの区別はリボンの色や、校章の色によってするんだ。

 だから、持ちあがり組の私たちは、基本、中等部とおなじ制服に、新しい色の、リボンと校章。

 だから、一見して、区別がつく。彼女らのように、いかにも新入学というような雰囲気ではないから。

 そして、まだ、持ちあがり組と、新入学組の間には、微妙な距離があって・・・、持ちあがり組のみで構成されている私たちのクラスでは、本当に浮いてしまっていた。

 何のようだろうと、興味津々にあからさまでぶしつけな視線を投げかけている人もいる。

 正直、彼女にはかなり居心地は悪いだろう。

 ・・・おまけに、理佳の気に障ったみたいで、喧嘩みたいな雰囲気になりかけているし・・・。