「ご、ごめんなさいってぇ!」
悲鳴のような斉木くんの声が聞こえた。
佐藤くんの笑い声も。
「うわ、悲惨、速攻、玉砕?
急いては事をし損じるって知らないのか、斉木。うぷっ」
「うるせぇ、笑うなぁ、佐藤! 腹抱えて、爆笑すんな! なのに、それでも手を放さないなんて、しつこいぞ、こらぁ!」
「っ・・・ぐふ、腹いた・・・横隔膜いたい」
「佐藤、おぼえてろよ! ---だけど!
おれはまだ、最後まで言い終えてないんです、福田さん!
だから、おれ、再チャレンジしますからぁ!」
「お前は、政治家かっ!」
間をあけず佐藤くんがつっこみをいれていた。
私は長岡くんに手をひかれながら、学校へ続く坂道を登って行った。
ささやきと、視線を痛いほど感じる。
どうしても、悪い方にそれを受け止めてしまいそうで、つい、うつむきそうになったとき、長岡くんが前を向いたまま、いった。
「顔をあげて、陽菜さん」
「長岡くん」
「陽菜さんがなにかしたわけでもないよ。気にしないで。
堂々としていようよ、ね?」
「・・・。うん、そうね、そうだよね」
いって、背筋を伸ばした。
悲鳴のような斉木くんの声が聞こえた。
佐藤くんの笑い声も。
「うわ、悲惨、速攻、玉砕?
急いては事をし損じるって知らないのか、斉木。うぷっ」
「うるせぇ、笑うなぁ、佐藤! 腹抱えて、爆笑すんな! なのに、それでも手を放さないなんて、しつこいぞ、こらぁ!」
「っ・・・ぐふ、腹いた・・・横隔膜いたい」
「佐藤、おぼえてろよ! ---だけど!
おれはまだ、最後まで言い終えてないんです、福田さん!
だから、おれ、再チャレンジしますからぁ!」
「お前は、政治家かっ!」
間をあけず佐藤くんがつっこみをいれていた。
私は長岡くんに手をひかれながら、学校へ続く坂道を登って行った。
ささやきと、視線を痛いほど感じる。
どうしても、悪い方にそれを受け止めてしまいそうで、つい、うつむきそうになったとき、長岡くんが前を向いたまま、いった。
「顔をあげて、陽菜さん」
「長岡くん」
「陽菜さんがなにかしたわけでもないよ。気にしないで。
堂々としていようよ、ね?」
「・・・。うん、そうね、そうだよね」
いって、背筋を伸ばした。


