私は眠った形跡のある少し大きめのベッドから上掛けをとった。

 そのまま、抱えてリビングに戻る。

 光くんは、ウトウトしかかっていたようで、そっと、上掛けをかけるとかすかに目を開いた。



「サンキュ、陽菜」

「寝てていいよ。できたら、起こすから」

「ん。・・・いまさらだけど、こんな時間にいいわけ? おれはうれしいけど」

「大丈夫。ちゃんとお母さんにはいってきているから。遅くとも八時半くらいまでに帰ればいいと思う」



 九時より前に、お父さんが帰ることはほとんどないから。

 今は六時三十分過ぎ。

 

「心配しないで、光くんは御飯ができるの待っててね」

「うん」


 言って、光くんは目を閉じた。

 かなり、きついんだと思う。

 ご飯作っても、食べれるかな? でも、食べないと薬飲めないし・・・。

 考えていても、時間がすぎるだけなので、私はキッチンにむかった。