大嫌いだから、ね? ③

「・・・福田さんって、怒ると怖いキャラですか? でも、そのギャップもいいですぅ。

 あ、でも、心配なので、おれもすぐいきます」

「ほんと? 佐藤くんって友達思いですね」

「いや、そうじゃなくて・・・」

「じゃ、先にいってます」



 私はそう告げて、電話を切った。

 最上階か。部屋数多くなさそうだし、表札を確認すればわかるよね?

 私はずしりと重い荷物を反対の手に持ち替えた。

 持っていた方の掌が赤い。

 エレベーターに行き、上のボタンを押す。

 すぐにきたそれに乗り込む。

 最上階は十五階だ。眺めがよさそう。夏の、港でする花火大会なんてさえぎるものがないから、花火とてもきれいに見えるんだろうなぁ。

 ゆっくりと上昇していくエレベーターのなかでそんなことを考えていたら、目的の階についた。