・・・なにを納得しているんだろう?



 佐藤くんの思考回路はあんまりよく、わからない。



「じゃ、海老原に連絡してやってね。

 くれぐれもよろしく。めちゃくちゃ喜んで、風邪なんか即治ると思うから」










 教室に帰って、手のひらを見る。

 汗でにじんでいるけど、ちゃんと読める。

 私は、佐藤くんの分も含めて、登録した。



 ・・・お父さん以外、男の人のアドレスを登録するのは初めてで、ちょっと・・・ドキドキした。



 これで会えないときも、光くんと連絡を取ることが出来る。

 そう思うと、嬉しかった。



 光くんのことを怖がって避けていた自分を思い出すと、今の自分が正直、信じられない。

 光くんが昔のいじわるな彼じゃなくなったように、私も変化しつつあるんだ。



 私はぎゅっと携帯を握り締めた。