「ううん、平気。なんでもないの」
「本当? ずっと寝込んでいたんだから、いきなり普段どおりにしようとしてはだめよ?
ぶり返しちゃうわよ。
ほら、立って? 寝てなきゃだめよ」
「う、うん」
急き立てられるように、ベッドに戻った私に、お母さんがカップに注いだハーブティを渡してくれた。
やっぱり、いい香り。
「熱、もう一度はかった方がいいかしらね? 病院に行きましょうか? 往診してもらってもいいんだけど」
心配そうに、お母さんは言った。
「ほんと、もう大丈夫だから。心配しないで。
それよりおなかすいちゃった」
「でも」
「本当、大丈夫だから。みるくぷりんも食べたいし、お母さんのご飯も食べたいし。
食欲が出てきたってことは、元気になりかかっている証拠でしょう?」
心配させまいと、にっこり笑っていった。
だって、もう本当に風邪はほとんど、平気。
ちょっと、光くんがくるっていうので、焦って、パニックになりかかっていただけだから。
もう大丈夫。ハーブティ飲んで落ち着いてきた。


