大嫌いだから、ね? ③


「ううん、平気。なんでもないの」

「本当? ずっと寝込んでいたんだから、いきなり普段どおりにしようとしてはだめよ?

 ぶり返しちゃうわよ。

 ほら、立って? 寝てなきゃだめよ」

「う、うん」



 急き立てられるように、ベッドに戻った私に、お母さんがカップに注いだハーブティを渡してくれた。

 やっぱり、いい香り。



「熱、もう一度はかった方がいいかしらね? 病院に行きましょうか? 往診してもらってもいいんだけど」



 心配そうに、お母さんは言った。


「ほんと、もう大丈夫だから。心配しないで。

 それよりおなかすいちゃった」

「でも」

「本当、大丈夫だから。みるくぷりんも食べたいし、お母さんのご飯も食べたいし。

 食欲が出てきたってことは、元気になりかかっている証拠でしょう?」



 心配させまいと、にっこり笑っていった。

 だって、もう本当に風邪はほとんど、平気。

 ちょっと、光くんがくるっていうので、焦って、パニックになりかかっていただけだから。

 もう大丈夫。ハーブティ飲んで落ち着いてきた。