「心配なのはわかるけど、無茶しすぎ。

 さて、海老原、保健室に行こうか? 

 歩ける?」



 気遣うように、長岡くんが聞いた。

 光くんは、うなずいた。声をだすのも、きつそうに返事を返す。



「まぁ・・・なんとかね。ふらふらするけど」

「肩貸すよ。それとも、おんぶか、お姫様だっこがいい?」

「肩で、よろしく」

「了解」


 言いながら、長岡くんが光くんの腕を取って、肩を貸した。

 つぎに私のほうをみて、いった。



「ごめん、陽菜さん。そのままじゃいけないから、海老原の自転車を、自転車置き場においてきてくれる?」

「はい」



 私は、アスファルトの上に倒れたままの、光くんの自転車を起こした。