暫くして、私の体を離した。 少しの間でも、人の温もりに触れると心が暖かい。 少し残念な気持ちで那月を離す……いや、離れただけで、手は掴んでいた。 ……那月。今までと全く違う。 「麗桜……?」 『ん?』 いつもより優しい声色で返事をする。 「……俺の過去…聞いてくれ…お前には…聞いて欲しい……」 コクっと小さく頷く。 私の手を掴んでいる手に力を込めて、震えながら、話し出す…