わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「何か用?」

立ち止まっちゃったから、聞いてみる。クチビルくんが私に用事なんかある訳ないのだけど……。



「丁度良かった。秋山、今、暇?」

「暇じゃない」

「じゃ、すぐ済ます。ぶっちゃけ、お前、俺と付き合わね?」


こいつ、日本語おかしい。そして、失礼。ぶっちゃけで告白とか、人をバカにしている。



「付き合わない」

もちろん即答。考える時間なんか1秒だって要らない。



「なんで?」

「なんでって……理由は沢山あるけど……。取り敢えず、私、付き合ってる人いるし。知らなかった?」

「知ってる」

「は? じゃ、何で?」

「理系の田所だろ? あんなのふっちゃえよ」

「えっ、なんで? どうして? 嫌だよ、大好きだもん」