こんな子……いた?
この可愛さなら結構目立ちそうなのに、俺はその子のことを知らなかった。
上級生かな?と思ってブレザーの校章のラインを見てみると、そこには俺と同じ学年色の緑。
……同級生、か。
「…あ!ご、ごめんっ!君、ケガしてない?」
なんてことを考えてるうちに、この子とぶつかったことを忘れてしまっていた。
慌ててケガの有無を尋ねると、目の前の彼女は上目遣いで俺を見てきた。
「……っ!///」
「あ…はい。私は大丈夫…です。貴方こそ、お怪我はありませんでしたか?」
上目遣いに一瞬ドキッときた俺だったが、彼女のすごく丁寧な口調に唖然。
『貴方』とか…
呼ばれたことねぇし。
敬語とか…
使われたことねぇし。
「あ、あぁ…平気だよ。」
「…そうですか。なら、よかったです。ご無礼を…お許し下さい。」
なんか…調子狂うな。

