「朝人!!」



4人で遊園地に行ってから早くも1週間が過ぎた。



「……あ。」



今日は部活で学校に来ていた俺だが、少しボケッとしていたようだ。



俺の名前を呼ぶ大声に気付いた頃には、自分の顔のすぐ横をテニスボールが駆け抜けていた。



その後すぐに試合終了を告げるホイッスルが鳴り、あぁ…俺は今試合中だったんだと他人事のように思った。






「朝人……どうしたんだよ?さっきから全然集中出来てないぞ?」



次に試合をする奴らにコートを開け渡し、俺は休憩の為に晴輝と例のベンチにいた。



「ん…?あ、あぁ…」



心配してくれている晴輝に生返事をしながらも、俺はどこか上の空。



「…本当にどうしたんだよ?西城とケンカでもしたのか?」



「はぁ!?あり得ない!」



晴輝の口から彩菜ちゃんの名前とケンカという単語が出た途端、俺はすぐさまそれを否定する。



ケンカなんて……
する訳ない。



「じゃあ…何だよ?朝人のことだ。どうせ西城絡みの何かなんだろ?」