だから、俺も正直に思っていることを言った。
「水嶋くん……」
そんな俺の言葉を聞いた彩菜ちゃんは、目を潤ませて泣きそうで。
「…なるほど。」
一方の美吉さんは、無表情のまま俺を見つめてそう言った。
「確かに、彩菜は今『普通の女の子』じゃねぇ。だから、学校の奴らは彩菜を避ける。…財閥の一人娘って、ただそれだけの理由でな。」
「………」
「でもお前は違う。彩菜の側にいて、『友達』になりたいとも言った。」
「…あぁ。……!」
短く返事をした後、俺が見たのは美吉さんの照れくさそうな笑顔だった。
「その言葉、嘘には聞こえないから……信じてやる。俺が認める。お前は今日から、彩菜の友達だ。」

