一人称だけでなく、喋り方も男そのものだ。
「いや……別に。」
この子に、俺は『面白い奴』と言われたのか─
俺から見れば、そっちの方が断然レベル高いけどな…
「あっそ。ならいいんだけどよ……ところでお前、なんで彩菜と一緒にいんの？」
「え？」
いきなりそんなことを聞かれ、俺は拍子抜けな返事をしてしまった。
「目的は何だ？彩菜を傷付けるつもりなら、俺が容赦しねぇ。」
そんな…
傷付けるだなんて…
「有加ちゃん、水嶋くんは……」
「彩菜は黙ってろ。俺はこいつに聞いてるんだ。」
彼女…美吉さんの真剣な目からは、彩菜ちゃんのことを大切に思う気持ちがすごく伝わってきた。
「……俺は、彩菜ちゃんの友達になりたいんだ。『普通の女の子』になる手伝いを……したいんだ。」
