そんな時、突然どこかから大声が聞こえ、俺たちはびっくりして声がした辺りを見た。
すると、ちょうど俺の真正面から誰かがすごいスピードで走ってきた。
なんか……ヤバい?
そう思った時にはもう、目の前に俺を鋭い目で睨み付ける女の子がいた。
「テメェ!誰に許可取って彩菜と一緒にいんだよっ!?」
「……は?」
「は?じゃねぇよ!!問答無用!ぶっ殺す!!」
えぇ…!?!?
「やっ…やめて下さい!有加【ユカ】ちゃんっ!」
何が何だかわからない状況の中、目の前の女の子が俺に掴みかかったのを見た彩菜ちゃんが、今まで聞いたことないような大きな声を出し、女の子を止めた。
「彩菜……?」
そう言えばこの子…
『彩菜』って呼んでる。
「やめて、下さい……お願い、します。」
2人の関係性もよくわからないが、女の子は彩菜ちゃんにそう言われると、俺の胸ぐらを掴んでいた手をそっと離した。

