すごすぎるだろ……
「それ…読め、るの?」
「はい。口語訳されたものもいいんですけど、原文の方が古典を読んでるって感じがするので、好きなんです。」
へぇ……
俺には一生共感出来ないな。
読書なんて滅多にしないのに、さらにそれが昔の言葉で書かれてると来たら、余計にお手上げだ。
「じゃあさ、将来は大学かどこかで古典の研究とかするの?」
「あぁ…いいですね、それ。でも……きっと、出来ないと思います。」
俺がそう聞いた瞬間は笑顔だった彩菜ちゃんだけど、その笑顔はすぐに消えた。
「なんで…?」
「…私には、逃げられない運命が待ってますから。」
それって……
「家……継ぐの?」
俺の質問に、彩菜ちゃんは小さく頷いて答えた。
「コラーーーっ!!!」

