鈍感王子にご注意を


押せ!玲奈!
私.....私.....

─ピンポーン.....


──────.....

「ちゃん...玲奈ちゃんっ!」

「.....ふえっ!?なっ何?」

「さっきから呼んでるのに
ボーっとしてるからさ。何考えてたのか
知らないけど私会場戻ってるね?」

「うっうん。じゃあ、後でね。」

恵美はゆっくり扉を閉めた。

思い出すと胸が躍るように暑くなる。


─トントン


「はっはい?」

つい緊張して声が裏返った。
和也が入ってきた。

「玲奈。お前ボーっとしてるって笹野から
聞いたけど大丈夫か?」

白いタキシードを着た和也が
控え室に入ってきた。

つい見とれてしまう私。
さっき見たんだけどね。

私...本当にこの人と結婚するんだ。

「おい、玲奈聞いてんのか?」

呆れたような顔で和也は言う。