鈍感王子にご注意を


─────...

「ハァハァ。はーあ...大丈夫?」

「だっ大丈夫です.....。」

この人...もしかして.....

「さっきうちでぶつかった子だよね。
たまたまみかけたら絡まれててさ。
大丈夫?」

「だっ大丈夫です。すいませんでした。」

迷惑かけっぱなしだ...。

「いや。姉ちゃんがあの子悩んでるって
言うからさ...見かけたとき
思いだして。」

「いえ、あの... ─♪♭♯♭♪

急に目の前の男の人の携帯がなった。
男の人は携帯に出る。

『ん?あ、沙菜か。どした?ああ、
分かった。じゃ、明日な。』

優しそうに話す彼。
和也も電話のときこんな風に笑顔で
話してくれているのだろうか.....

「っっ.....。」

「ちょっ?どうした?お腹でも痛いの?」

気づいたら泣き出していた私。

「いえっ.....ちょっと...彼氏に
腹立ってて.....。」

「...何があったかしらないけどその人のこと
信じてないの?」

「えっ?」

「今...すげえ不安そうな顔してたから。」

「えっと.....。」

「とりあえず家帰ってよく考えてもう一度
話しあってみたら?って姉ちゃんから
伝言。」

目の前の彼は優しくニッと笑った。