鈍感王子にご注意を



「...セクシーな格好して男の部屋
入って泣いて帰る.....。
お前浮気でもしてる?」

「はあ!?なわけねえだろ!俺はなー、
恵美ちゃん一筋だから浮気も
何もしねえ!恵美ちゃん以外の女は
外人の女に見えるんだよッ!」


「まあまあ、落ち着けって。」と和也は
俺を席に座らせる。


コイツに相談した俺がばかだった。
考えてみれば?コイツは今幸せだし
相談したって自分のノロケ話しか
しねえだろ。

「まあさ.....機嫌悪かった
だけじゃねえの?」

「...それでも恵美ちゃんは人に
当たるような奴じゃねえよ。」

和也は音をたてながらストローで
コーラを飲み干す。

「ふうーん。玲奈だったら人にあたるし
すぐ物投げつけてくるぞ。
こうやってな。」

和也は眉毛を寄せて鼻の穴を
膨らませて腕を回す。

「わっ分かった。.....やっぱ
謝ったほうがいいよなー。」

「何、お前がまだ謝ってねえの?」

いつもの俺だったらすぐ謝る。

「嫌...何の理由かも分からない俺が
謝ったってどうせまた喧嘩に
なろうだろう?はあー.....。」

どうすりゃいいんだよ。