鈍感王子にご注意を


やっぱ上手く恵美ちゃんと
話せねえ。
だっせ.....。

「はい、どーぞ。」

「ありがと。」

恵美ちゃんにお茶を渡して俺も
一口飲みテレビをつけた。

─ピッピッ

チャンネルを変えていく。
一通り見たが面白そうな番組も
やっていなかった。

俺はテレビを消した。

「.....。」

「.....。」

久しぶりの恵美ちゃんとの沈黙。
なっなんか話さなきゃ。
動揺してしまうのがバレそうで
怖かった。

「おっ音楽でもきく?」

俺がスピーカーのリモコンを押そうと
したときだった。

「だめ。」

静かな部屋で恵美ちゃんの高い声が
響いた。

「えー...?」

恵美ちゃんは俺の手首をつかんで
じっと俺を見ていた。

「恵美...ちゃん?」

恵美ちゃんは下を向いてからまた
上を向いた。

「.....誠くん...私の事スキ?」

「へっ!?」

そんな質問初めてで動揺する俺。