鈍感王子にご注意を


いつまでたっても何も喋らない恵美
ちゃんに俺から話しかけた。

「恵美ちゃん...どっか行きたいとこある?」

「........誠くん家。」

「そう。分かっ.....ええッ!?」

恵美ちゃんは顔色一つも変えず
俺をまっすぐ見ている。

「あの...さ「ダメ?」

恵美ちゃんは、上目遣いで子犬のように
俺を見る。

「.....いや///いっいいよ?」

つい声がうらがえってしまった。



────────.....

「適当に座ってて。」

「うん.....。」

恵美ちゃんを1つだけあいていたソファに
座らせた。

こんなことなら部屋くらい片付けとけば
よかったと今更後悔する俺。

俺はすぐに冷蔵庫にあったお茶を
コップに注いだ。

チラッとキッチンから恵美ちゃんを見る。
恵美ちゃんは俺のちらかった雑誌を
片付けていてくれていた。

「あー、ごめん。ありがと。でもいいよ。
そのうち自分でやるからさ。」

「えっ?でも...今誠くんが座れる場所
ないよ?」

「...はは、そうだな。したら座り場だけ
つくっておいてもらえる?」