「大丈夫だ、怖いもんじゃねぇよ」




彼は優しく微笑むと、手を握り返してくれる。




そして、七重さんは襖を開け放った。




「え…っ」




中を見て、私は言葉を失った。




襖が開け放たれた部屋の中には綺麗な白無垢がかけられていた。




汚れを知らない純白の布に鶴が細かく刺繍され、見るからに高そうな物だ。