「さ、そろそろ帰るか」 彼にそう言われ、ふと外を見た。 外はもう西日が差していた。 「そうですね。夕飯の買い出しもしないといけませんし…」 「じゃあ、姉上、義兄上。また来てくださいね」 「ああ」 「じゃあね、夏依さん、翔馬。それに拓眞もね」 私はまだ首が据わっていない拓眞の頭を優しく撫でた。 こうして、私達は愁の家を後にした。