確か、名前は拓眞と言っていた。 最初は初めて抱く赤ん坊に緊張気味の涼だったが、拓眞がモゾモゾと動くと、その表情は和らいだ。 拓眞を見る涼の目はまるで、愛し子を見る母親のものだった。 「義兄上、俺達も行きましょう」 「ああ」 愁は涼達も元に向かった。