愁は身内の贔屓目なしによく出来た義弟だと思う。 人当たりも良いし、何よりも家族を大事にする。 こいつと夫婦になった夏依さんは幸せだろう。 「抱っこしますか?」 ふと、夏依さんの声がした。 「良いの?」 「もちろんですよ」 声の方に目をやると、涼は生まれたばかりの赤ん坊を夏依さんから受け取っていた。