まだ膨らみもなく、微かな心音しか聞こえない。 それでも、私のお腹に宿り、生きる愛しい彼との子供。 「歳三さんは女の子と男の子、どっちが良いですか?」 「俺は涼にそっくりな女の子が良いな。涼は?」 「私は元気に産まれて来てくれるなら、どちらでも良いです」 「それもそうだな」 歳三さんは顔を上げ、微笑むと、またお腹に耳を当てた。