花婿は伊織さんの幼なじみで尚久という男性だ。 尚久さんはよく俺と一緒に子供達に勉強を教えている。 「せっかく夫婦になるんだから、祝言はちゃんと挙げないとね」 「だったら、一言私に言いなさいよ」 そうは言っているが、伊織さんはとても幸せそうだ。 「ごめんごめん。それより、そろそろ行かないと…」 「そうね。じゃあ、涼ちゃん、歳さんもまた」 そう言って、伊織さん達は行ってしまった。