「ごめんね。慧くん。ごめん...
あたし─...んんっ.....。」
梓の唇に自分の唇を重ねた。
やっと会えたと...
喜びのあまり梓を全部
知りたかった。
少し震えている唇に強く唇を
重ねる。
そのまま梓を抱きしめた。
震えている体。なんで震えているのかも
分からない俺は、ただ。ただ強く梓を
抱きしめた。
「さ.....としくっ...ん!」
こぼれる梓の声。
その声も全部愛しいんだ。
唇を離すと少し疲れたような顔を見せた
梓。
「わりー。いきなり.....。」
「ううん.....慧くん...。」
梓から俺にキスをした。
それだけで嬉しくなった俺。
俺はまた梓を抱きしめた。
「ごめんね?ごめんね?」
俺の腕の中で何度も謝る梓。
「謝んなって。」
俺は、この言葉を何度も続ける。
でもずっと小刻みに震えている梓。
そんな梓を独り占めしたくて俺は、
何度も梓にキスを重ねた。
─────────...
「慧...くん。ごめんね?最近メールも
できなくてさ。」
「いや。忙しかったんだろ?」
「う...ん。ねえ、最近変わったこととかある?」
「変わったこと?」
俺が首をかしげると梓は顔の前で
手を何度も振る。

