家に帰ってもずっとそのことを
考えていた。
次の日になっても...千尋の言葉が
頭から離れないまま...1人で
部屋に閉じこもっていた。
─ピンポーン
これから...知ることすら知らない
あたしは...何も気にしないで
自分だけ子供だったのかもしれない。
「はーい?え...慧?」
ドアを開けると顔が真っ青になった慧が
ただ家の前に立っていた。
「どうしたの?慧が来るなんて珍しいじゃん。
雨でも降るんじゃないのー。ていうか
いつも勝手に入ってくるのに今日は
どうしたのよー。」
慧はその場でしゃがみこんで髪を
クシャクシャにする。
「ちょっと!どうしたの?そこ、汚いよ。
とりあえず家入って─「梓.....が...。」
え?「え、何?梓ちゃんがどうかしたの!?」
なんだか...嫌な予感だした。
野生の勘っていうのか....
「ねえ、慧!黙ってないで何か言ってよ!」
「梓が...梓が......。」
「慧っ!しっかりして!」
震える慧の肩をしっかり支えた。
「梓が.....死んだんだ─......。」

