「心愛。大丈夫かっ!?」
結構の間走り続けてやっとあたし達の
家の前で止まった。
あたしの手首を離してあたしの肩に
手を置き目線をあわして心配してくれる...
「司くん.....。」
バカだな。あたし。慧だと思ってた。
兄弟だから似ているのは当たり前。
慧は今梓ちゃんを送っているんだから。
「ウゥッ.....。」
自然と涙が溢れてくる。寒いせいかその涙すら
冷たかった。
「心愛.....。」
「え.....?」
急に抱きしめられた体。そのせいで暖かくなる
あたしの体。
「司く.....っ!?慧.....?」
慧を呼ぶ名前が聞こえてあたしをはなした
司くん。
「わっ悪ぃ。おっ俺先家入ってるから。」
焦ったように慧は家に入っていった。
沈黙が流れるあたした─...「ぶはっ!」
「へ.....?」
急に噴出した司くん。
「ごめん。ごめん。そんなに拍子抜けた顔しないで。
今のはさー、冗談だからさ♪」
冗......談?
「もしかして、どきどきしちゃったー?」
「はあっ!?」
「あ、もしかして図星なんじゃ「最低ッ!
司くんのバカ大ッ嫌い!」
「こっ心愛?いっ今のは、さ。さっきの事も
あって冗談っつうかさ...。」

