「ふえっ.....うぅ...。」
寒い帰り道を1人で歩く。
1人で歩くのなんか慣れているのに...
何でこんなに寂しいんだろう。
「あーれ?どーしったのー?」
「え.....?」
陰から出てきた見知らぬ男。
暗くてよく顔が見えないけど1人で
ニヤニヤしているのが見える。
「なんで泣いてるのー?もしかして寂しいとか?」
「っ...別に寂しくなんかありませんから!」
「ええー!強がらなくたっていいじゃん!
今から俺が遊んであげよっかー?」
そう言ってあたしの肩に手を置く。
「やっやめて!」
勝手に体が小刻みに震えだす。
「震えちゃって可愛いー!よし、
行こっか♪」
そう言ってあたしの手首を強く握って
歩き出す。
やだ、やだ!こんなのやだ。
でも怖くて声もでない!
このままどこにいって何をされるの?
やだ。やだよ。助けて.....!
慧......誰か...助けっ.....て!
「おい、はなせよ!」
怒鳴り声が聞こえて目の前の男は倒れた。
「きゃっ!?」
あたしの手首をまた誰かが掴んで
走り出す。
このニオイ─...この声─.....
もしかして......

