「わー♪噂をすれば弘也くんじゃないですか♪」
「.....。」
「出ないんですか?」
「.....。」
「えいっ!」
「えっ!?ちょっと!」
梓ちゃんは勝手にあたしの携帯を耳にあてた。
「もしもしー?こちら梓でーす♪
どうしましたー?.....ああ。
はいはーい♪今変わりますー♪
...はい。先輩♪」
梓ちゃんはにっこり笑って携帯をあたしに
差し出す。あたしは携帯を受け取って
耳に当てた。
「...もしもし?」
『あ、心愛ちゃん。大丈夫?具合悪いって
千尋ちゃんから聞いたんだけど。』
「あぁ...大丈夫だよ。ごめんね。なんか。」
『ううん。いやー、朝いなくてビックリ
しちゃったよ。』
「そっそっか.....ごめん。」
『うん...あ、なんか友達と一緒に
いるみたいだね。悪いからまた電話するよ。』
「へ?あ、ごっごめん。それじゃあ...
またね。」
そう言ってあたしは携帯を切った。
「.....何それー!心愛先輩何してんですか!」
「え?」
「せっかく中澤くんから心配して℡してくれたって
言うのにー!もっと自然体に話さなきゃ
変ですよー!」
「ごっごめんなさい。」
「.....最近の心愛先輩変です。」
「え?」
「あたし帰ります。プリンみんなで美味しく
食べてください。じゃっ。」
そう言って梓ちゃんはあたしの部屋から
姿を消した。

