───翌日
「心愛。頼みがあんだけど。」
ベランダから慧の声がして
すぐにベランダに出たあたしに言った
慧。
少し期待して外にでたものの
すぐにそんな期待はなくなった。
夏休みの宿題をもってあたしの前で
何度も頭を下げる。
「はぁ!?あたしがなんで人の宿題
やらなきゃいけないの!?」
「そうじゃねえよ。教えてほしいなーって
思っちゃってさ。」
慧は自分で染めた髪をかきあげた。
あ、上のほう黒くなっている。
「...タダで教えたくないんだけど。」
「じゃあ、1時間教えてくれるたび1回
チューしてあげるからどう?」
「そっそんなのいらないッ///」
仕方がないなーなんてあたしは
吐いて慧の家に向かう。
慧のお願いはいつも断れない。
やっぱりあたしは慧が
スキなんだなーって思う。

