「大丈夫。梓ちゃん本当に慧のこと
好きなんだね。」


もう.....いい。
あたしは無理なんだ。
最初から。だめなんだ。


『へへ...///慧くん...優しいんです。
何もかもが。いつも優しくて誰よりも
あたしのこと優先してくれて...
だから.....誰にもとられたくないんです。』


一瞬胸が痛かった。
チクッて...針で射されたようだった。
それはまるで梓ちゃんがあたしに
訴えているようだった。

バレている。あたしの気持ち。
梓ちゃんにしか分からない。
だって同じ人を見ているから。

でも慧の隣には梓ちゃんがいて...
あたしの居場所なんてどこにも
ないんだ。


「.....頑張れ。あたし、応援するから。
だから─......『心愛先輩。本当は慧くんが
好きなんじゃないですか?』

「はい?」

『いえ...なんかいつも慧くんのこと
心愛先輩見てるから。』


お見通し.....


「違う、違う!よく周りに勘違いされて
もううんざりだよー!あたしは全然
そういう風に慧のこと見てないもん!
幼馴染としてしか見れない!
今更そんなのないからー。」


何、一人でこんなに言い訳してるんだろ。


『ですよね♪あたしの考えすぎでした!
それじゃあ、これからも協力
よろしくおねがいしますっ♪』

「うん。ばいばい。」


いいんだ。
あたしは慧の幼馴染なんだから。
最初から.....運命は決まってる。
あらしの...運命が。