キミに送る約束~空に向かって~


「そっそれで...心愛先輩。」

「ん?」

「お願いが...あるんですけど。」


お願い.....?


─────...

「あー!もうわかんないっ!」


あたしは参考書をペラペラめくりながら
頭を抱えた。


「あたしもう数学の才能ないッ!」


その途端隣の部屋の明かりがついた。

そしてベランダに慧がでてきた。
あたしの部屋に向かって手を振っているのが
見えた。いっそこのまま
気づかなかったフリをしようだろうか。


『お願いが...あるんですけど。』


「.....しかたがないッ!」


─ガラッ


「慧ぃ!」


あたしは勢いよくベランダにでて腕を組む。


「お!勉強のスイッチ切れたか。
だったらここ俺に教え「さっ慧ってさ
家族に梓ちゃんのこと紹介したことある?」

「あ?」


あっあたしは何を言わされているんだろう。