─────それからまともに慧と
顔を合わせれないまま1週間が経った。
バイト先のロッカーであたしと梓ちゃんは
制服に着替えていた。
あたしは最近放心状態でまともに
誰とも話しすらできていなかった。
「心愛先輩。最近慧くんと何か
あったんですか?」
「へ─?」
隣で不思議そうな顔をしてあたしの顔を
覗き込む梓ちゃん。
こうしてみるとやっぱり可愛い。
何でこんな可愛い彼女をいる男が
昔あたしを好きだったんだろう...?
「なっ何でもないよ?」
つい声が裏返ってしまった。
「そうですか─。良かった。」
「え?」
「慧くんと心愛先輩は幼馴染で
ただそれだけだって慧くんがこの間
あたしに言ったんです。実は慧くんと
心愛先輩が結構仲良くてあたし
不安だったんですよね。でも、
良かった。慧くんと心愛先輩が仲悪いのも
嫌だけど仲良いのも少しヤキモチ
焼いちゃって...///」
なんだ。そうだよね。あたしたち
ただの幼馴染なんだった。
「そっそうに決まってるじゃーん。
何ヤキモチやく必要があるの?
あたしと慧はただの幼馴染。
それ以上は何にもないってばー。
梓ちゃんの心配性なんだからー♪
可愛いーっ♪」
顔...ひきつってないよね?

