そう言って慧は
スイカをガツガツ食べる。


「喧嘩したわけ?」

「違えよ。他の女と喋ってたら
キレられた。意味分かんねー。
浮気だとか騒いでビンタして
どっか行きやがった。
もう女なんてこりごりだ。」


あたしは黙って聞いている。


「もうしばらく女はいら「そんな事
言いながら明日明後日くらいに
なったら新しい彼女とブラブラ
歩いてんじゃん。」


いつもこう。
もう慣れてしまった。


「だから今回はまぢで疲れたんだっ!
女は、もう心愛だけで十分。」


こんなめちゃくちゃな事を
言う奴なのにあたしはすぐ
ドキドキしてしまう。

「ばっかじゃない?」

「ふっ。心愛はすぐ赤くなるなー。」


慧はあたしの頬を
引っ張る。


「いひゃいよっ!あと手ぇ
ベタベタしてるから触んないでっ。」


慧はそんなのはお構いなしに
あたしの頬を引っ張る。


「いひゃいっふっへんほはわはんはいほあ!?
(痛いっつってんのが分かんないのかあ)」

「わっ悪かったって。」


こんなじゃれあいが
あたしたちの日常。

それでも...
あたしにとってこの時間が
凄く凄く大切なの―...。