「慧くぅ~ん♪アドレス教えてっ♪」

「慧くん♪わからないとこがあったら
何でも聞いてね?」

「慧くんっ!」


.....もうっ!何なのよ!

あたしは、女子をにらみつける


「こっわ~」


固まった集団は、あたしを見て
嫌な顔をする


あたし.....春山いずみ

つい最近入ってきた神楽慧に
イライラする.....

超良いルックスですぐに女子の視線を
集める男...

きっと学校でもモテるに違いない
学校の王子様的存在なんだろう...

あたしは、そういう男が大ッ嫌い

何考えているかわかんないし
どうせナルシストなんだから!


仕事の邪魔だしさっさと辞めてけばいいのに...



「ほんっとむかつく!」



しかもよりによってあたしがあいつに
仕事を教える係りになったし...

高校生のあたしだけど高1でここで
バイトを始めたからかなりのベテラン

仕事の出来ない子は、今まであたしが
追い出した事もあるくらい

周りでは、どんなことを言われているかくらい
予想だってついている


陰口だって散々言われているのは知っている


よく聞こえるしね.....


─バイト先について着替えようと
更衣室に行くとヒソヒソと声が聞こえる


「まった春山に怒られたよー!
ほんとアイツむかつく!バイトごときで
一々うるっさいん....」


あたしは、その言葉を遮るようにドアを開ける