心愛Side
「はあ─.....。」
昨日はあのままあたしは寝た。
慧に謝ればよかった.....。
なんて思いながらあたしは
自転車を出す。
急いで慧の家の前を通り過ぎようとして
自転車にまたがった瞬間
慧が家から出て来た。
寝癖がついた髪が慧を少しだけ
幼く見せた。
「よっ!」
慧はいつも通りに挨拶をしてきた。
「.....ん。」
あたしも軽く頷いて自転車のペダルに
足をかけた。
「心愛、ちょっと駅まで一緒に行かね?」
後ろから聞こえる慧の声。
本当は逃げたい。
隣に慧がいるなんて耐えられないから。
けど内心嬉しい自分がいた。
「いいよ。」
二人で自転車をおしながら歩く。
沈黙が続くあたし達.....。
やっぱり昨日の事があって
気まずい。

