「心愛.....」
「ん─?」
「ありがとうっ!」
「っ.....うん─っ!」
たぶんあたしは...今この地球の中で
一番幸せ者に違いない.....
もしもあたし達が幼馴染じゃなかったら
今頃どうしていたんだろう...
どんな人生を送っていたんだろう...
分かることはただ...もしあたしが
慧の隣に家が建ってなくて幼馴染じゃ
なかったとしても...あたしは、きっと
慧に夢中だったってこと.....
どんな出会い方をしてもきっと
惹かれていたんだろう.....
幼馴染じゃなければよかったって
毎日のように願った
そうしたら慧は、あたしを1人の女の子として
見てくれるのにって.....
毎日悔しかった
ベッドの中で毎日泣いた.....
隣の部屋を見て毎日泣いた.....
慧の隣にいる女の子を見て泣いた......
本気で羨ましかった
慧の隣に並ぶことを本気で憧れていた
それが今...当たり前のように隣にいれる
こうして抱き合って触れ合える.....
それがどれだけ幸せなことなのか.....
今まで全くわかんなかった
「ばか」とか普通に言って喧嘩して口も利かない日だって
たくさんあった
どれだけもったいない時間を過ぎていたんだろう
だけど...今までの積み重ねがあって
今のあたし達がいる
こうして慧が元気な体になって
あたし達の願いが叶った
たった一つ願いが叶うだけで.....
こんなに世界が明るくなるんだもん......
だから...さあ、後一歩踏み出そう

