「お前...最低だろ。俺が目覚めたら
母さんが俺の手ずっと握ってるし.....
辺り探しても心愛どこにもいなかったし...
帰っちゃったのかと思った.....」
「っ.....ごめん...」
「何倒れてんだよ!手術せっかく成功した
俺に心配かけてよ!」
「ごめん.....ごめん─っ.....「なあ、心愛」
慧がこっちを向く
「俺.....生きているんだよな?」
「えっ.....?」
「これ...夢じゃないんだよな.....?」
また涙がこみ上げてくる
「なあ、心愛。俺生きて「ばか!生きてるに
決まってるじゃん!夢じゃないよっ!」
あたしは、両手で慧の両頬を引っ張る
「いって!何すんだよ!」
「痛いでしょ!?.....生きてるよ...ちゃんと
慧は、この世界で生きている.....
存在しているんだよ.....」
「っ.....良かっ.....た」
「え.....?」
「良かった.....」
慧が急にあたしを抱きしめる
「きゃっ!.....慧?泣いてるの...?」
「バカ野郎!泣いてね─よっ!」
慧は、あたしを抱きしめたまま離そうとしない
「嘘だ!だったら顔見せてよ!」
「うるせえ!」
慧は、ギュッとあたしを抱きしめる
ああ、この香り.....慧だ.....
「良かった.....良かった.....」
「うん─っ.....良かったね.....」
良かった...本当に良かった

