キミに送る約束~空に向かって~


「慧がどんな気持ちでそれを書いたか...
分かるだろう?」


慧の気持ち.....


「...う...ん」


あたしは、頷いてまた手紙に目をやる



だから...もし俺が手術に失敗した時
泣くのは、1日だけにしてくれ。
心愛なら大丈夫。
みんながついているから。
心愛の家族、友達。たっくさんついているだろ?
隣の家には兄貴だっている
お前には、最大の親友だっているだろ?
ウザい宗佑だっている

だから心愛は、1人じゃないんだ

だから俺のせいで夢を諦めるなんて事
絶対にしないで。

もしも俺が天国にいったとしても
ずっと見守っているから

俺.....心愛の事見守ってるから.....


               慧


「っっ...酷いよ...こんなの.....」


あたしは、手紙をギュッと持つ
紙に涙がポタポタ落ちる


「心愛─っ」


千尋が横からあたしを抱き締める


「やだょ...こんな手紙...慧ばかだよ...」

「心愛.....」

「やだ...やだ.....「心愛っ!」


司くんが大きな声であたしの名前を呼んで
司くんのほうを向かす

目が合ってあたしは俯く

司くんはしっかりとあたしの肩を掴む


「信じて待ってよう。慧ハ、絶対元気になって
また俺らの元に帰ってくるんだから」

「.....うん─っ」


絶対なんて補償はないけれどみんな願うんだ...

例えば夢が叶いますようにとか...
みんな願うんだ