心愛Side
「...慧くんならきっと大丈夫だよ」
千尋が優しく微笑みながらあたしの手を
握ってくれる
「うん.....」
あたしは、そっと手を広げる
慧があたしに渡したこの紙.....
ゆっくりあたしは、それを開いた
雑な字...その字は紛れもなく慧のもの...
おそらくノートのページを破ったものだろう
それも全部慧らしくて自然と顔の筋肉が
和らげる
読みずらい字をあたしは心の中で読みあげる
心愛へ
こうして心愛に手紙を書くなんて
初めてかもしれないよな。
言葉じゃ上手く伝えられないから手紙にしました。
心愛には、本当に感謝しています。
物心ついた頃から心愛が隣にいた。
毎日遊んで喧嘩ばかりしてたよな。
昔は、俺のほうがちびだったもんなー。
心愛は、俺と違って勉強も出来て
今だから言えるけどすごい尊敬していた。
今もすごく尊敬している
たぶん心愛に傷つけるような事ばかりした。
どんなに謝っても足りないと思う
だけど、ごめん。
だけど今の俺がこうしていられるのは
心愛がいたからだと思う
隣でいつも笑っていてくれたから
いつも本当に心強かった
今まで毎日見舞いに来てくれてありがとう。
心愛の笑顔がこの世の中で一番好きだ。
だからどんなにつらいときでも
笑っていてほしい。
だからもし俺が
「っっー.....読め...ない」
字がぼやけて読めない
涙が邪魔をする
「心愛...ちゃんと読んであげてくれ」
司くんが口を挟む

