廊下から母さんと聞きなれた声が聞こえた
足音がどんどん近づいてくる
「さーとしっ♪」
「おう。早いな」
心愛が来ただけで自然と顔の筋肉が
やわらかくなるのが分かる
「あのね、司くん達ももう少ししたら
来るってメール来たよ」
「そうか.....サンキュ」
すると心愛は椅子に腰をかけて急に
俺の手を握る
「心愛?「手.....」
「手?」
心愛が手をギュッと握る
「手、震えてる.....」
「そっそんなことねえ「大丈夫だよ...慧」
そういう心愛の目から涙が一粒ながれた
「何...で泣いている?」
「なっ泣いてないっ!」
心愛は、余った手で目を拭く
けどすぐにこぼれて来る涙
「泣いている.....「泣いてな...いっ!」
自然と俺の視界もぼやけてくる
気づいたときには、もう遅く大粒の涙が
溢れだしていた
「頑張る...から.....俺─っ」
震える声で言う
「うん─っ.....」
「頑張る...頑張るよ.....」
心愛がギュッと手を握る

