キミに送る約束~空に向かって~


─そしてあまり深い眠りにつけないまま
今日を迎えた.....

「おはよ」


母さんがカーテンを開けながら言う


「...おはよ」


今日は、いよいよ手術日
窓から差し込む光が眩しい


「あら、眩しかった?カーテン閉める?」

「いや、いい...開けといて」

「そう?」


母さんはカーテンの紐を結ぶ


「頭は痛くない?」

「薬のおかげでだいぶ痛みは抑えられてるよ」


ほんと薬があって良かった


「そう...良かったわね」

「あぁ...なあ、母さん」

「ん?」

「今まで...色々とありがとな」

「えっ!?」と母さんは驚いた顔をする


「ちょっ、何言ってるのよー。いきなり」

「別に...何となくさ...だめかよ?」

「やっやだわねー。なんかそういうの
やめなさいよー」


母さんは顔の前で手を振る
母さんの目には涙がたまっていた


「感謝...してる」

「...ばっばかねー。全く!あ、
あたしは喉乾いたしお茶でも買ってくるわ」


母さんはそう言って逃げるように
病室から出ていった