心愛を俺のベッドの横まで来させる
「何、忘れ物って.....ん...」
心愛の唇にソッと自分の唇を重ねた
かすかに震えている唇に愛おしさを
感じた.....
「おやすみ」
心愛の頬を撫でて呟いた
「っっ─...おやすみ」
心愛に優しく微笑んで手を振った
窓から心愛が病院を出たのを確認して
俺は引き出しからノートを取り出す
一番最後のページを丁寧に切り取って
ボールペンを出す
【心愛へ】
一番上の行にそう書いた
だけど次に書く文が思いつかなく俺は、
一旦ペンを止める
頭の中に文章が浮かんできてその通りに
紙に文章を書く
自然と涙が零れ落ちて紙が濡れる
「っっ─.....」
少し痛む頭.....
吐き気がする.....
明日...手術が成功して完治すれば...
この痛みからも逃れられる.....
必死にペンを握り締めて文章を書く
行が足りなくなってまたノートを破る
「はぁ...はぁ.....」
明日が....どうか特別な日に
なりますように─.....
そう心の中で呟いた

