「大丈夫だ...見つかるから...」

「でもっ「今は、そんなこと考えてる場合じゃ
ねえだろ?頼む...慧になってくれ」

「.....へ?」


つい間抜けな声がでたあたし

だって今意味分かんない事言われたから─...


「つまり、慧の気持ちになって慧が
どこにいそうか考えてくれ」

「そっそんなの無理よ!慧が行きそうな
ところもう全部いったもん!....
あっ!」

「ん?」

「まだ行っていない場所...1つだけあるよ」


──────────...

「ここ.....?」

「うん。あたしと千尋の学校の近くの公園」


よくここで慧と待ち合わせしていた

人目を気にして校門まで慧に来てもらうのが
嫌だったからなんだけど...


「でも...いないよ?」


千尋が公園を見渡して言う


「みんなは...ここで待っていて」


あたしは、公園に足を踏み入れていく

もう慧が入院してからしばらくは、ここに
来ていなかった

最後に来たのは...いつだろう


─ザァァァ


風が急に強くなって木の枝が揺れる
そこから小さな影が見える


しゃがみこんで小さくなっている影...
弱弱しくなさけない.....


「慧.....」


あたしは、そっとその影に声をかける


「帰ろ...みんな待ってるよ」